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G2×CREATIVE

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新たな技術や表現手法を追及する開発での学びを紹介します。
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記事一覧

MayaのMELを使おう!基礎編第4回~if文・比較演算子・論理演算子・for文~

こんにちは!G2 Studiosで3Dアニメーターをやっている嶽本(タケモト)です! MayaのMELの基礎講座第4回です。 今回は、基礎編の最終回として、処理の流れの制御について解説します。 処理の流れを制御する ~ってなに?~例えば、「〇〇が△△だったら☆☆する、▽▽だったら★★する」これがif文です。条件を付けてやる・やらないを決めます。 「〇〇が△△になるまで☆☆を繰り返し行う」これがfor文です。条件に達するまで繰り返します。 実際にコードを見ながら学んでいき

MayaのMELを使おう!基礎編第3回~変数と配列~

こんにちは!G2 Studiosで3Dアニメーターをやっている嶽本(タケモト)です! MayaのMELの基礎講座第3回です。 ▼第1回・第2回はこちら 変数 ~変数ってなに?~変数の説明 変数は他の言語でも使われるものですが、MELでの変数は扱いがかなり簡単なので安心してください。 変数とは、何かを出し入れできる箱に名前を付けて置いておくようなものです。 書き方は「$test」のように、「$」と任意の文字列(※)を組み合わせて書きます。 ※文字列:複数の並んだ文字のこと

MayaのMELを使おう!基礎編第2回~コマンド入力と四則演算~

こんにちは!G2 Studiosで3Dアニメーターをやっている嶽本(タケモト)です! MayaのMELの基礎講座第2回です。 ▼第1回はこちら コマンド ~コマンドってなに?~コマンドの構造を説明 MELコマンドがどういう作りになっているのかを説明します。 まずは試しにメインメニューの [作成] > [ポリゴンプリミティブ] から、球を作ってみましょう。 ポリゴン球を作ったら、スクリプトエディタを見てみてください。 ログに何か書き込まれましたね。この1行目がmelコ

MayaのMELを使おう!基礎編第1回~作業準備~

はじめにこんにちは!G2 Studiosで3Dアニメーターをやっている嶽本(タケモト)です! Mayaを使っている方、スクリプト言語は扱っていますか? 自在に使えればあらゆる面倒な作業を自動化・効率化し、 オリジナルのツールを作ることで、できなかったことをできるようにし、 あなたの、ひいては周囲の業務の質を1段も2段も押し上げることが可能となります! Mayaで使えるスクリプト言語にはPythonとMELがあります。Pythonは汎用性が高く対応するツールも多いためにスキ

ShaderGraphで作るセル調爆発エフェクト

はじめにこんにちは!G2 StudiosエフェクトデザイナーのH.Oです。 今回はプロジェクト外で制作したセル調爆発エフェクトをご紹介いたします。個人的に完全セル調エフェクト経験というものが少なく、来るべきその時に備えて練習のつもりでShaderGraphで制作したものです。 実現させたいことまずどのようなルックを目指すのか、実現させたい要件をざっくり上げてみました。 ・セルルックの階調のある爆発表現 ・ShaderGraphでシェーダーを作成する ・なんとなくブレス オブ

第8回/バウンス機能を使ってみる

こんにちは。 G2 Studios サウンドチームのサキサキです。 CRI Atom Craft についてのnote連載を始めてから約2年、今回で記念すべき10回目の投稿となりました!パチパチ では、記念投稿なのでスペシャルな機能を! と言いたいところではありますが、やはりここは実務ベースでいきたいと思います(笑) よくある「初級・中級・上級」というような区切りではない実務ベースでの機能紹介、これがこの連載の特徴です。 ▼これまでの連載はマガジンにまとめてあります

Spineで犬のモーションをつくる/動物の歩行アニメーション解説

▼はじめにこんにちは。2DモーションデザイナーのY.Yです。 今回は犬のモーションの制作方法について、イラストの調整段階からモーションをつくるまでを解説したいと思います。 四足歩行の動物は骨格や足の運び方が人間とは異なるので、特徴を捉えながら組み立てていく必要があります。 動物のアニメーションを製作しようと思ってる方の参考になれば幸いです! 今回使用するSpineのバージョンは4.0.27になります。 ▼完成形今回の記事ではドーベルマンのイラストを使って、歩くモーション

Spineを活用して差分なし・メッシュの直接変形なしで瞬きを作ってみた!/クリッピングマスクを使用した目パチ

▼はじめにはじめまして!G2 Studios2019年新卒入社のモーションデザイナーのG.Mです。 私はこれまでSDキャラクターのモーションや、スチルモーションの作成を担当してきました。 今回は差分なし・メッシュの直接変形なしで瞬きを作ってみたということで、クリッピングマスクを使用し瞬きをさせる手法について解説していきます。滑らかに瞬きさせたい、クリッピングマスクの使用方法を知りたいという方は是非ご覧ください! ▼今回作成する瞬き 今回はこちらでも紹介したキャラの目を瞬

Midjourney(ミッドジャーニー)バージョン4/AI 作画 画像生成

こんにちは!G2 Studios デザイナーのHayatoです! Midjourney入門編はこちら▼ 2022年11月5日からMidjourneyがバージョン4にアップグレードされました。Discord上の見た目は全く変わりませんが、セッティングで「MJ version 4」を選択すると生成結果が段違いに良くなっていることに気がつくはずです。 キャラクターの生成早速、何か生成してみます。 個人的にアヌビス神をモチーフにしたキャラクターが好きなので、それを中心にプロンプ

第7回/シーケンススタート&エンドを設定する

こんにちは。 G2 Studios サウンドチームのサキサキです。 Atom Craftの解説も早いもので第7回となりました。 連載するにも順序が大切。 記事の完成間近になって「あ!手前であの機能を説明しておけば良かった!」と気づいた時の衝撃(=やってしまった感)は何度経験しても慣れません…。 シリーズが終わるまで、順を追って丁寧に記事を作成しなければ!と気を引き締めているところです。 そんな中、今回は「シーケンススタート」「シーケンスエンド」と呼ばれる機能をご紹介いたしま

Adobe MAX 2022レポート/一部の新機能の検証含む

こんにちは! UIデザインを軸に研究開発を行っているデザイナーのHayatoです。 デザインに携わるようになり早20年。雑誌やweb、広告などのデザインを経験し、10年前からゲーム業界でUIデザイナーとして勤めてまいりました。2022年の4月から研究開発のチームに異動し、xR領域やメタバース、ゲームUIについての研究を進めています。 今回は先日開催されたAdobe MAXの内容をお届けしたいと思います。 やってまいりましたAdobe MAX! リモートワーク化が進む昨今

第6回/ランダム再生させてみる

こんにちは。 G2 Studios サウンドチームのサキサキです。 今回は、皆さんお待ちかね「ランダム再生」についてご紹介します。 単にランダム再生と言えど、CRI Atom Craftにはいくつかのランダム再生機構があります。 本記事は、その中の一つである「シーケンスタイプ」に分類されるものについて焦点を当てたいと思います。 ■作業環境本記事は以下の環境下での作業内容を記載します。 ■シーケンスタイプとは「シーケンスタイプ」はキューに内包されたトラックの再生方式を指して

Midjourney(ミッドジャーニー)の始め方/AI 作画 画像生成

こんにちは! 毎日3歳児の難儀な質問に答えている、G2 Studios デザイナーのHayatoです! 8月初頭からAIの作画サービスがSNSなどで話題となっていますね。 中でも代表的なものがMidjourney(ミッドジャーニー)です。 Midjourneyのとてもユニークな点はDiscord上でオープンに生成しているところです。 他のユーザーがどんなキーワードで作っているか、リアルタイムで確認できます。 それをヒントに、自分で作成したいイマジネーションに取り入れていく事

インテリアマッピングの作成検証をしてみました(interior mapping)

  3Dグループリーダーの富田です。 今回はグループ内でインテリアマッピングの作成検証をしてみましたので簡単にご紹介します。   インテリアマッピングとは、板ポリなど平面に対して、奥行きのある描画を再現するアルゴリズムです。   ▼参考記事 2018年の『Marvel’s Spider-Man』などではすでに採用されている技術なので、それほど新しいものでもありません(2022年8月現在)。ビルの中の窓ガラスから奥に見える部屋の再現などでよく使われます。 以前はゲーム中のビル