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【勉強会レポート】ゲーム開発における プロジェクトマネジメントについて

皆さん、こんにちは!G2 Studios広報チームです。

G2 Studiosでは毎月数回の勉強会を実施しています。
勉強会は得意分野・専門分野をもつ社員が講師となって開催されるもので、特定の職種に向けた専門的なものから、幅広い職種に向けたものまでバラエティ豊かなラインナップです。

先日開催された全職種向けの「ゲーム開発プロジェクトの体制・プロジェクトマネジメントについて」の勉強会が、就活生や業界初心者の皆さんのお役に立ちそうでしたので、一部内容を公開いたします!

G2 Studiosのプロジェクトマネジメントディビジョンとは…
プロジェクトの進捗や状況、課題、リスクなどを取りまとめ可視化することで問題を未然に防ぎ、原因解明の迅速化を図ることで効率と品質の向上を目指す部署

「ゲーム開発プロジェクト」とは何か?

「プロジェクト」はPMBOK(Project Management Body of Knowledge/PM協会から発表されたプロジェクトマネジメントの知識体系)で「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する、有期性のある業務」と定義されています。ゲーム開発もゲーム(独自のプロダクト・サービス)を期日までに開発する業務なので、プロジェクトの一種です。

プロジェクトを進める際、大切なのはQCDです。

・Quality(品質)
・Cost(コスト)
・Delivery(納期)

ゲーム開発においては、
・Quality(品質)
目標(売上など)を達成できる品質であること。定めたターゲット層に対して「どんなプレイ体験をさせたいのか」というような要件を明確にして、関係者同士で目線を合わせることが大切です。品質は一般的にプロジェクトにおいて「最も大切」だと言われる要素です。

・Cost(コスト)
いくら良い成果物を完成させてもコストが大量に発生してしまうと元がとれなくなってしまうので、想定される売上に対して会社として利益が出るような費用で開発することが求められます。コストを度外視した目的の違う開発も中にはあります。

・Delivery(納期)
納期通りに成果物を納められなければ、信頼の低下やトラブルに繋がります。(一方、ゲーム業界では開発延長はあるある話でもあり、春発売=8月説なんていうのもあります…)
良い物を作ることが優先されますが、納期が延びる(=開発期間が延びる)とその分コストも増えるので注意が必要です。

QCDはそれぞれの項目が相互に関連しているため、バランスをとりながらプロジェクトを管理するのが大事です。例えば、「もっと品質を良くしたい!」と機能を追加し続けた結果、コストと納期がどんどんかさんでしまい、泣く泣く途中で諦めてそのままリリース…なんてことがありえるのです。

このQCDを意識しながらプロジェクトを管理していくのがプロジェクトマネージャーの仕事です。

プロデューサー、プロジェクトマネージャー、
ディレクターの違い

「QCDを意識しながらプロジェクトを管理していく」というと、プロデューサーやディレクターといった立場をイメージする方も多いでしょう。
ここで一般的にいうそれぞれの違いを見ていきましょう。

プロデューサー(P)
ゲームの場合、事業的な意味での総責任者を指すことが多い。
どういったユーザーに向けてゲームを作るのか、どういった売り方(ユーザーの心を掴むのか)を元に、製品の方向性を決め、ビジネスの全責任をとる。

プロジェクトマネージャー(PM)
開発全般の管理者を指すことが多い。プロデューサーから委託されたQCD(どんなゲーム・費用・期限)を元にゲーム開発を進める。
QCDが枠内で収まらない場合、プロデューサーにエスカレーションする必要がある。

ディレクター(D)
ゲームの具体的な内容を考え、開発チーム内で共有する立場を指すことが多い。どんなゲームにするかの中身を決めて動かしていく。
ゲーム開発はチーム戦なので、企画や施策を考える能力だけでなく、
考えたものをチーム内に浸透させる能力(表現力・コミュニケーション能力など)も重要となる。

会社によって職務内容には差があります。実際、G2 Studiosはプロデューサーを置かず、QCDの方針決定は部長が責任をもちつつ開発現場の責任者としてチーフディレクター(CD)を置いています。(ゲームの面白さ追求に集中できるように、という想いで構成された組織体制です。)

「将来はプロデューサーを目指します!」と話される就活生が多いですが、プランナーとして自分の得意分野を極めて行く選択肢もありますし、プロジェクトマネージャーやディレクターなど現場に近い場所での活躍の道もあります。企画職としてゲーム業界に入る皆さんは、ぜひ「どういう形でゲーム作りに関わり」「何を成したいのか」をしっかり考え、どんなキャリアを歩みたいか、じっくりイメージしてみてくださいね。

プロジェクトマネージャーの仕事

一般的にプロジェクトマネージャーの仕事は、スケジュール管理やリスク管理、コスト管理、資源管理など多岐に渡ります。その中でも、ゲーム業界では、スケジュール・コスト周りの管理をする立場をプロジェクトマネージャーとして置くことが多いです。

ゲーム業界におけるプロジェクトマネジメントに関わるタスクの例
(PMBOKより抜粋)
・スケジュール・マネジメントの計画
・アクティビティの定義
・アクティビティの順序設定
・アクティビティの所要時間見積
・スケジュールの作成
・スケジュールのコントロール
・コスト・マネジメントの計画
・コストのコントロール
・ステークホルダーとの調整

プロデューサーから委託されたQCDを管理しつつ、ディレクターにQ(品質)部分を任せながら、プロジェクトの円滑な進行を目指します。

ゲーム開発の中身部分(Q/品質)はディレクターや開発メンバーに任せるといっても、品質の評価は人によってバラバラになりがちです。
きちんと定義せず、各々の想いで進んでしまうと、そこに引っ張られてコストや納期もズレていきます。プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を見渡し、何を目指すのかの定義付けや目線合わせを主導していく大切な役割です。

終わりに

当日はプロジェクト管理の話は前半として、後半では「開発あるある」のプロジェクト進行での失敗談や困ったことなどの実例が語られました。
実例なので、noteでは公開できませんが、「わかる!」「うちでもあった!」など共感の声が多く寄せられました。

受講者の感想(一部)
・「面白さを説明する必要がある」ことを忘れがちなので、改めて意識しようと思いました。
・社内の開発のみならず、会社間でのやりとりの失敗事例など詳しく聞けたのはとても参考になりました。
・パブリッシャーとデベロッパーの関係性のパターンなどは興味深かったです。またプロジェクトマネージャーの定義もわかりやすかったです。

ゲーム開発は、品質(面白さ)の定義も難しく、開発中の方針転換もよくありますし、それに伴って納期がずれ込むことも珍しくありません。
一筋縄ではいかないのが、プロジェクト管理です。一方、だからこそ、色々な工夫を凝らし、困難を乗り越え、チーム一丸となって良いモノを作り上げるやりがいもひとしおです。

G2 Studiosでは、ビジョンとして「開発力・運営力で選ばれる会社No.1になる」を掲げています。開発・運営をスムーズに行うにはプロジェクトマネジメントの力をあげることが必要不可欠です。今回の勉強会を通じ、プロジェクトマネジメントの大切さを今一度再確認することができました。

今後も皆様に愛されるゲーム開発ができるよう邁進してまいります!

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