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アートチームが追求するSpineを使った2D表現の可能性

※この記事は2019年8月に公開したものです。

G2 Studiosには、プロジェクトを横断してゲームの演出を担う「アートチーム」があります。アートチームが取り組んでいる、Spineを使ったアニメーション制作や、2Dの魅力を生かした新たな表現手法の研究開発について紹介します。

インタビューしたのはこちらの3名

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※写真左から紹介

K.M/テクニカルアーティスト
2017年中途入社。大学卒業後、広告代理店で映像制作・インタラクティブ広告・ブラウザゲーム制作に携わる。その後ゲーム業界へ転職し、Unityでのネイティブアプリ開発を経験。G2 Studiosへ入社後は、演出に特化した横断チームを立ち上げ、演出全般の制作とアートチームのマネジメントを行う。

M.E/モーションデザイナー
2016年中途入社。大学時代に映像を学び、卒業後はアプリ開発会社に就職。UIデザイン・PV制作・公式サイト制作などを手がける。G2 Studiosへ入社後は、新規タイトルの2Dキャラクターモーションや、UIデザインを担当。その後、アートチームへ異動し、複数プロジェクトのSpineに関する業務に携わる。

Y.Y/モーションデザイナー
2018年新卒入社。G2 Studiosの勢いとチャレンジングな社風に惹かれ入社。エンジニアとして入社したが、演出に興味を持ち、アートチームへ配属となる。新規タイトルのエフェクト制作を担当し、現在はSpineを使ったSDキャラクターのモーション制作を担当しながら、Live2Dの学習もしている。

アートチームができるまで

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K.M:
G2 Studiosへ入社後、複数のプロジェクトで横断的に演出を手がけるチームを立ち上げました。ShaderやC#を使った演出やエフェクトの制作、Spineモーションの導入などを少しずつ進めていました。当初は私一人でしたが、徐々にメンバーを増やしていき、2019年1月に2D表現に特化したチームができました。

M.E:
私は入社後は新規プロジェクトで、UIデザインやSpineを使ってSDキャラのモーション制作を行っていました。Spineをもっと突き詰めたいと思ったので、所属していたプロジェクトの開発タイトルのリリース後、アートチームに入りました。

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Y.Y:
私はデザイナーではなくエンジニアとしてG2 Studiosに入社したのですが、その当時プレイしていたG2 Studios開発アプリのタイトル画面がとても好きだったんです。そこから演出に興味を持ち始め、本配属でアートチームにジョインしました。

K.M:
Y.Yさんは、エンジニア採用だったこともあり、最初はプログラミングに関わるUI演出などを担当してもらいました。

Y.Y:
その後K.Mさんに「Spineやってみる?」と話をいただいて、やってみたらキャラを動かすのがとても楽しくて。もっと深めたいと思って今年1月から本格的にSpineの業務に取り組んでいます。やってみたいという気持ちを会社全体で応援してくれる雰囲気がとても好きです。

K.M:
M.EさんやY.YさんのようにSpineを使った2Dモーションの制作の他にも、Adobe製品を使った2DイラストやUIデザイン、Unityを使ったエフェクトやエンジニアリング、ShaderやPythonを使ったテクニカル業務など、業務内容も多岐に渡っていて、様々な個性やスキルを持ったメンバーがいるのがアートチームの特徴です。

2Dだからできる面白い表現手法を提案したい

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K.M:
今はアートチームのメンバーも増えてきたので、汎用性のあるライブラリーを作成して各プロジェクトへ生かしたり、アートチームでの研究開発に着手したりしています。研究開発では、2.5Dの世界観での作品性を重視したアクションゲームを開発中です。

3Dチームの研究開発でもアクションゲームを作っていますが、同じジャンルでもツールの選定が異なっていて、アートチームではSpineを使って、2Dキャラクターをより魅力的に見せるための表現を追求しています。

M.E:
Spineはスケルトン構造によって2Dイラストを動かすアニメーションツールです。3DCGのように、ボーンで動きを制御できます。

K.M:
工夫次第で立体的にも見せることができますよね。平面ではあるのですが、ある程度は回転したような動きも表現が可能です。

M.E:
今ではSpineは業界標準のようになってきていて、モバイルを中心に広がっています。ただ、ボタン操作に合わせてリアルタイムに動くプレイヤーキャラにSpineを使うというのは日本ではあまりノウハウを持っていない領域で、そこを現在アートチームで研究開発しています。

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▲開発画面

Y.Y:
Spineを使うとデザイナーの方で比較的簡単にアニメーションまでを作れて、それをそのままエンジニアに載せてもらえるのでいいですよね。

M.E:
そうですね。よりイメージ通りに作れますしクオリティーを追求しやすくなります。Spineは柔軟な画像変形ができるので、余計な作画の手間を減らすことも可能です。同じリギングであればイラストを差し替えるだけで量産できるので、削減した工数をゲームのクオリティーアップに当てることができます。

K.M:
アートチームで何ができるのかって、社外にはもちろん同じ社内でもなかなかわかりにくいと思うんです。だから「こんな面白い表現ができる」というのをまずはこの研究開発を通じて発信していきたいですね。

発想力の高いクリエイティブチームを目指して

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Y.Y:
私はまだSpineを使い始めて1年に満たないのですが、Spineでの表現をもっと学んで極めていきたいです。最近は、空いた時間でLive2Dの学習も進めているので、いつか開発に取り入れてもらえるように頑張りたいです。

M.E:
ユーザーの心地良さを考えながら、アニメーションからゲーム全体の満足度を上げていきたいと思っています。また、Spineをまだよく知らない人も多いと思うので、Spineで出来ることを研究し、広めていくことで、プロジェクト全体、ひいてはゲーム業界全体にも貢献していきたいです。

K.M:
チームメンバーがそれぞれの分野でスペシャリストを目指すことで、発想力の高いクリエイティブチームにしていきたいと思っています。ストレスなくゲームに没入できるUXの追求をしていきながら、新しい取り組みにもチャレンジしていく予定です。サウンドデザインやHoudiniといったプロシージャルな開発ツールも積極的に取り入れて、アートチームとゲーム業界をみんなで盛り上げていきたいです。

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