メカデザインをする際のポイント解説~考え方編~
はじめに
こんにちは!
G2 Studios株式会社 ビジュアルデザインDivイラストグループ所属のS.Yです。
今回は、イラストのデザイン、特に「メカデザイン」をする際に気をつけるポイントについて、業務にあたる際、どのようなことを考えて、どのような作業をしているのかを解説していきます。
私の経験が誰かのお役に立てれば幸いです。
今回のポイント解説をしようと思った動機
昔のゲーム開発は少人数での開発体制が多くを占めていました。そのため、どうしても一人で複数の役割をしなくては仕事にならない時代でした。もちろん得意・不得意はあるため、まんべんなく品質が全て良いという訳ではありませんでしたが、否応なく色々な事に関わることで、不得意な領域でもある程度は理解しなくてはいけませんでした。
しかし時代は変わり、開発規模が大きくなったことにより開発人員が増えました。そのため、各分野の品質・効率をあげて制作できるよう、職種を細分化し専門的に制作するアニメ業界のような環境になっている会社が多く見られます。
その結果、確かに目的は達成し良い部分もあったと思いますが、代わりに日頃やっている専門外の仕事になると品質・生産性が下がるという事が以前より増えてきたなと感じています。
またメカ関係においては、SF物のアニメ・ドラマ・映画が昔に比べて極端に減り、日本では現状SFよりファンタジーの方が人気があります。その結果、幼少期の頃からそれらに触れていないため、描くことはおろか、興味がなくなり、そのものの良し悪しが養われない時代環境ができあがっているなと感じています。そのため、いざ描く際にメカに対して苦手意識を持つ描き手もいるのではないかと思います。
そんな方やこれからメカを描き始める方達に少しでも何かのお役に立てればと思った次第です。
そもそもメカって、何?
メカといってもその内容は多岐にわたり複数種類があります。
<SF等に出てくる機動兵器や乗り物>
<人が身につける持つ兵器や装飾品>
<コクピットや格納庫などのメカ背景>
<巨大建造物だったりSF感のある町並み>
<ゲームや映画だとコンセプトアート>
意外と様々なジャンルに分けられると思います。
メカ単体で成立してるものから他要素(人体・自然・ETC)とも絡み合って成立してるものもあります。
ですのでメカ以外を専門的にやってる人であっても、メカはいつかどこかで描く日が来るかと思います。
どんなものが必要か
では、実際にデザインする際の大きな2工程を説明します。
思考=描く前に必要な能力
実践=思考をもとに今までの知識と経験からくる取捨選択+個人の美的センス+それを描く技術
思考部分
<立体構造>
デザインの構造によりますがロボット犬という同じモチーフでも
構造の差でデザインは大きく変わります。
この辺のデザインに大きく関係するのがデザインセンスとなります。
一般的にセンスとは
美的感覚&感性
判断力
思慮
良識
感覚
微妙な点まで悟る働き
ただ、私が重要だと考えているのは以下です。
上記1~6の才能的な能力
知識
経験からくる取捨選択
1はその人自身の生まれ持った感性になりますが、2・3は後天的なもののためそちらを磨く事が結果、1の才能を磨く結果になるかと思います。そのため現状の能力より向上はその後の行動でなんとかなるといった感じです。
SFメカを描く上で根幹的な前提を決める
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■その時代感に適しているか
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<スチームパンク>
<より未来的なSF>
メカを描く際は、その時代・文明レベルを設定しなければいけません。
この辺をしっかり決めないと最終的にすごくチグハグしたデザインを描いてしまう事になります。
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■機能しそうな説得力はあるか
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架空の物をデザインする際
本来あるべき部分の何を残し何を想像するかという部分。
人型メカを例に…
同じ人型アンドロイドでも、その時代感や求められる事により「どこまでメカ化するか・
どこを人体として残すか」という取捨がでてきます。
メカメカしくデザインするか人により近い方向でデザインするかは、
その時求められていることの理解が必要です。
次回はここまでを踏まえて実践編をお送りします。
仮定の発注を想定して、構想から完成までをご紹介しますので、ぜひご覧ください!
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